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フェアディスクロージャー、流動性(適正価格形成)及び資金調達円滑化の3つの観点から、個人株主・投資者の重要性について明確に認識している。 リコーリース継続的な増配、株式分割による株主還元策の実施や、ホームページによる情報開示の充実、事業報告書を分かりやすい構成に見直すなども積極的に取り組んでいる。
株式持ち合いを解消する動きは、(持ち合いの)保有株に関して金額ベースでみると、上場企業全体での株式保有比率はおおむね低下を続けており、直近の2003年度では1991年度の半分弱の水準にまで低下している。 もちろん、保有株比率の低下は、保有株削減によるものか株価下落によるものかを明快に区別できるわけではない。
「そこで、株価変動の影響を排除するために株数ベースでみると、保有比率は一貫して低下を続けており、保有株の削減が続いていることが窺える。 また、株数ベースによる直近の保有比率は1991年度の4割強の水準まで低下しているという。
こうした保有株式を、個人投資家向けに「売り出す」ことは、新たな株主を発掘することになる。 「株主優待」実施企業2001年7月、カゴメが株主優待制度を採用した。
当時、同社は無作為に選んだ1万人の消費者の調査によると、カゴメ製品購入額は1ヵ月に100円弱だが、個人株主の場合は10倍以上の1,350円と判明していた。 個人株主の獲得は収益の拡大に直結する。
「株主獲得と同時に収益拡大の一石二鳥を狙っている」というマーケテイング・アプローチがみえた。 株主の自社製品に対する高いロイヤリティに着目するアプローチは株主優待制度に新たな視点を持ち込んだ。

2004年9月末現在、外国部、カントリーフアンドを除く全上場企業3,676社中、868社が株主優待を採用している。 これは全上場企業の23.6%に達する。
1992年の247社から10年後の2002年11月に748社で約3倍増、2004年9月で約3.5倍の増加ぶりである。 2003年10月時点では807社(22.3%)であったから、この1年で61社も増えた。
1992年の調査開始以来の最高水準である。 上場後50年以上経過したキリンビールや日本製粉などの企業が導入するケースも目立った。
上場企業に優待制度の導入機運が引き続き高いことを示している。 業種別の株主優待実施率は、小売業(257社)が71.7%でトップである。
この1年、新たに株主優待を新設した87社のなかには、半数以上の47社が2000年以降上場した企業だったが、キリンピール、日本製粉、日本製麻やBSLのように上場後50年以上経過した企業も5社あった。 優待内容では「飲食料品」(373社)が最も多く、次に「買い物券・プリベイドカード」が327社に達した。
投資家の一番人気は「食事券・食事割引券」(62.6%)、次に「買物券・プリペイドカード」(60.1%)、3番目が「飲食料品」(51.8%)で、この3つが「交通・旅行」(26.5%)、「宿泊施設」(19.4%)、「オリジナル(限定)」(19.4%)など他を大きく引き離している。 株主優待の賛否をめぐる議論は根強い。
株式配当が株主に対する利益還元として商法によって株主総会の決議が必要と定められているのに対し、株主優待には商法に言及がない。 多くは取締役会決議に拠って実施している。

「それでは、会社財産の株主への配分という性質を帯びる優待を、厳格な商法の規則との関係においてどのように説明するべきか。 実は、学説も株式優待を等閑視していたわけではなく、配当規制や株主平等との関係でその違法性を論じた文献などは意外に多い。
大半の学説は、あえて違法としないようである。 その根拠は種々わかれているが、本音は会社財産に対する影響も軽微なのであえて目くじらを立てるほどのことはないというところにあろう。
「些事ないとはいえ、株主優待制度の存在は日本的株式市場の後進性を物語る一面ではないだろうか」と断じる論調も登場する。 他方、日本の投資信託協会「定款諸規則集(平成13年度版)」は換金可能な株主優待は「その他収益金」に計上するとしており、「厚生年金基金受託者責任ハンドブック(運用機関編)」も同様のガイダンスを用意している。
銀行1990年代後半以降、政府は個人投資家の証券投資を促すために、銀行に対してそれまで認められていなかった証券の販売を順次認可している。 1998年12月に投資信託の販売、2004年12月に証券仲介業制度を利用した株式、社債、外国債等の注文の取次ぎが可能となっている。
これまでの実績から判断すれば、証券販売に関する銀行の活用は、一定の成果を収めていると言えるだろう。 投資信託販売については、開始された1998年以降、銀行が販売した純資産残高が着実に増加しており、2004年末には24兆円弱となっている。
これは、純資産残高全体の42%にあたり、株式投資信託のみに限ると、52%に達している。 また、公共債の窓口販売も急増しており、2004年12月で2兆円を超えている。
これは、大手証券会社リテール部門1社分を十分に上回る水準であると推察されている。 銀行による証券販売が増加したのは、それに積極的に取り組む銀行自身のインセンティブおよび個人投資家を引きつける魅力があったためであろう。
まず、銀行が積極的に取り組むようになった背景について説明する。 銀行経営上の長期的な観点からのものとしては、支店における業務内容の変化に迫られた結果であったと言えるだろう。
つまり、これまでの窓口業務のシステム化が進展する中、支店スタッフを利用できる新たな業務として投資アドバイスが選択されたと考えられる。 加えて、短期的な観点に基づくものとして、以下の2点があげられる。
l点目は、低金利下において証券販売からの手数料収入が高かったことである。 貸出利回りが2%未満である一方、投資信託を販売すると、販売手数料や、毎年受け取れる信託報酬が得られるのである。
2点目は、自己資本比率の低い銀行にとって、預金を投資信託に乗り換えさせれば、その資金で収益を上げつつ預金をオフバランス化できることである。 次に、個人投資家を引きつける銀行の魅力について考察を加える1点目として指摘されるのは、店舗網の充実である。

公共債の窓口販売額等を勘案すれば、特に証券会社の店舗が少ない地方において、その効果があったものと判断される。 2点目としてあげられるのは、銀行に対する信頼感である。
ただし、当研究会が実施したグループ・インタビュー調査では、地方における銀行の信頼感には根強いものがあったが都市部においては銀行不信が顕著で、あった。 3点目は、預金口座を通じて顧客の資金、個人情報を掌握している強みである。
これにより、銀行は顧客の定期預金の満期日などを捉えたアプローチ等が可能となる。 けれども、実際の銀行の証券販売は、リスクのそれ程高くない商品に偏っていることが指摘できる。
銀行の取り扱う証券関連商品の中心は投資信託協会の統計分類上株式投資信託であるが、最近は外貨建て債券で運用を行う毎月分配型のものがほとんどである。 この商品は2000年以降順調なパフォーマンスを示しており、銀行の営業担当者は自分の顧客が大幅な損失を被る局面を経験していないと思われる。
その意味では、リスクを伴う証券関連商品を販売するうえで避けて通れないような状況への対応によって銀行の証券販売の真価が問われることになろう。 保険会社保険会社についても銀行と同様に、1998年12月から投資信託、2004年4月から証券仲介業制度を利用して株式、社債、外国債等の取次ぎができるようになったものの、積極的に証券販売を行っていない。

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